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生殖補助医療とは

生殖補助医療とは、妊娠出産が困難な場合に、それを補助する医療技術の総称です。
具体的には、人工授精・体外受精・顕微授精・代理出産等を言います。

1) 人工授精 (artificial insemination)

人工授精とは精子を人工的な方法によって女性の身体へ注入する方法です。

  • 配偶者間人工授精(artificial insemination by husband=AIH)・・・精子が女性の夫のものである場合の人工授精
  • 非配偶者間人工授精(artificial insemination by donor=AID)・・・精子が夫以外の第三者のものである場合の人工授精

人工授精は戦争後に生殖能力を失った男性のために研究が行われ、1776年にジョン・ハンターが英国で初めて成功させました。

妊娠成功率は、配偶者間人工授精よりも、心理的に傷を負っていない第三者の精子を利用した非配偶者間人工授精の方が高くなっていました。

日本でも第二次世界大戦後に導入しました。

1948年、慶應義塾大学病院にて初めてAIDが実施され、翌1949年に女の子が誕生しました。現在の日本の非配偶者間人工授精は凍結精子を使っているため妊娠率が低く2ー3%と言われています。

2) 体外受精(in vitro fertilization=IVF)
体外受精とは、精子と卵子を体外で受精させ、その受精卵を培養した後に母体へ戻して着床させる方法です。

不妊原因が卵管障害など女性側にある場合に利用されます。

日本での非配偶者間の体外受精は公には認められていないのが実情です。

体外受精の方法

排卵誘発剤を利用して卵子を10個程度採取し、複数の卵子を試験管内で受精させ、培養して4~8細胞に分割した頃の胚を女性の子宮に戻して移植します。採取されて体外受精した卵子のうち、移植されなかった受精卵は余剰胚と呼ばれ、冷凍保存されます。

顕微授精とは

体外受精の一種です。顕微鏡下で胚培養士が精子を卵子の卵細胞内に直接注入して受精させる方法です。精子無力症や無精子症のように、男性側に不妊要因がある場合に多く利用されます。日本では1992年に初めて顕微授精による子が産まれました。

3) 代理出産(surrogacy)

代理出産は、出産の方法によって2種類に大別されます。

サロゲート・マザー(surrogate mother)は、夫の精子を妻以外の女性に移植して出産させる方法です。1970年にアメリカで始まりました。

ホスト・マザー(host mother)は、貸し腹、借り腹とも呼ばれます。現在、日本では認められていません。1985年にアメリカで始まりました。

4) 卵子提供・受精卵養子

なんらかの原因で自らの卵子が機能しない場合に、第三者から卵子もしくは受精卵(余剰胚)の提供を受けることにより、妊娠し出産を行うことです。代理出産と異なり妻が妊娠・出産を行うため、日本では戸籍上の実子となります。

日本では、JISARTの卵子提供ガイドラインの適応となれば、「卵子提供実施施設」にて治療を受けることができますが、卵子の老化による不妊カップルは対象外です。受精卵養子については、現在日本では認められていません。